ディープな馬祖の戦地風情を体験したいならば、鉄堡を訪れるのがよいでしょう。仁愛村の鉄板海辺の独立した岩礁を訪れると、殺伐とした戦地の雰囲気を感じられます。ここは地勢が険しく、海面の動向を観察するのに適しています。防御設備が必要なため、岩礁内部をくりぬき、上はコンクリートで覆って迷彩色に塗り、草緑色の防護網が掛けられています。「水鬼摸哨(泳いで渡ってくる部隊)」の突撃を防ぐため、鉄堡の岩礁の上にはガラスの破片と鉄線をいっぱい刺しており、波の中に屹立しています。
セメント歩道の下にある鉄堡内部は岩をくり抜いた坑道となっており、小さいながらもすべて揃っています。現在、戦火の火は遠いものとなっていますが、海防要塞において「鐵血剽悍、海上堡壘(鉄のような血が漲る、猛々しい海上のトーチカ)」の気迫が随所に感じられます。